debconf4

Debconf4参加レポート (カンファレンス紹介編)


5/26 (Wed)

■15:00 BOF: Skolelinux/Debian-Edu (Petter Reinholdtsen)

■16:00 Public Speaking - For the speakers (Jeff Bailey)

■17:00 Helping Debian - A Workshop for non-DD's (Rudy Godoy)

■19:00 Official Welcome

■20:00 Capoeira workshop

日程の関係で参加出来なかったが(飛行機の中)、既に Debconf4 はこの日から始まっていた。


5/27 (Thu)

■会場につくまで

サンパウロの夜明け。さすがに20時間以上飛行機に乗るのは過酷。

ポルトアレグレ空港についてkmuto氏とさ迷っていると、同じ便で到着したSamと遭遇。 その後主催者(疲れていてお名前を失念…)の用意された車に乗って会場まで移動。 面白かったのは、日本の駅でチラシを配っているようにブラジルの交差点でも チラシ配りがいたこと。車がとまる度に配っていた。

■13:00 The Shuttleworth Startup: What We Do

Debian のシステムメンテナンスを行なっている方々を紹介。

■14:00 Escaping the Dependency Hell (Steve Langasek)

到着した疲れで寝過ごした。上川氏から聞くところによると、

参考: versioned symbol とは

■14:45 Autotools Workshop (Steve Langasek, Scott James Remnant)

■16:00 BOF: Backporting Packages (Matt Taggart)

■16:00 BOF: Debian Hardware Database (Roland Stigge)

おなじく聞き過ごした。


5/28 (Fri)

■11:00 PICAX CD creation system (Jeff Licquia)

Debian の商用ベンダ Progeny Systems が開発している PICAX の紹介。 インストーラは Debian 標準のものとは異なり、RedHat の Anaconda をベースにしている。 インストール対象のパッケージを管理する方法が独自で、 パッケージ中からファイルを取り除くといったことが、シェルスクリプトなどで直接記述できる。 .udeb をいじらないといけない debian-installer よりはカスタマイズしやすいかもしれない。

参考: .udeb 形式とは

■14:00 Componentized Linux: Overview and Status (Ian Murdock)

Debian の創始者であり、現 Progeny System の Ian Murdock による講演。 ある目的を持ったパッケージ群をまとめて簡単に選択して入れられる仕組みらしい。 Debian には足りない部分であり、今後に期待したい。

■16:00 Debian-Edu (Petter Reinholdsen and Andreas Schuldei)

Skolelinux に関する話。Skole はノルウェー語で「school」のこと。 学校向け Linux インストーラの紹介であり、ほぼ debian-installer ベースである。 昨年の debconf3 でもデモしていたが、今年はついに完成したらしい。

■17:00 BOF: Debian Desktop (Gustavo Noronha and Rob Taylor)

■18:00 BOF: Mail/Spam (Jesus Climent)

飛行機疲れで寝過ごしてしまった。残念。

■20:00 Speech from the throne - Formal Dinner with the DPL Restaurant

debconf4 フォーマルディナー。詳細はこちら


5/29 (Sat)

■07:00 Trip to Gramado/Caracol

ポルトアレグレよりおよそ2時間離れたところにある観光名所 Caracol, Gramado への旅。 詳細はこちら


5/30 (Sun)

■11:00 Strategical, social and technical challenges of internationalisation (Kenshi Muto, Christian Perrier)

debian-installer 国際化チームの CHristian Perrier (bubulle) + 武藤氏によるインストーラの国際化に関する講演。 わかりやすい発表資料で好評。


■12:30 BOF: SPI (Benj. Mako Hill)

SPI ワークショップ。食事のためパス。

■14:00 Redencao Park and Popular Fair Visit

町の中心街にバスで観光する。詳細はこちら


■18:00 pbuilder (Junichi Uekawa)

上川氏によるパッケージビルダ pbuilderの発表。上川氏は英語が大変上手。 パッケージチェックに利用している人も多く、参加者の関心も高かった。 Bdale は pbuilder がいたくお気に入りのようだ。


■19:00 BOF: Configuration Management for Clusters (Martin Langhoff)

Jeff Bailey と glibc について議論していたため参加できず。

■21:00 Keysigning Party

キーサインパーティー。debconf3 までは、プロジェクターに映したパスポートを確認する形式だったが、 今回から新しい方式が採用になった。

  1. 当日飛び込み参加者の鍵指紋が書かれた紙の md5sum/sha1sum を確認。
  2. 飛び込み参加者が紙に書いてあるのとは別のメディアから自分の鍵指紋を読み上げ、 その紙に書いてあることが正しいことを確認。 事前に鍵指紋を登録しておいた用紙は確認しない。
  3. 続いて全員がずらっと廊下に2列に向かい合って並ぶ。
  4. お互いのパスポートと鍵指紋を見せあいながらぐるぐるとリング状に認証をすすめる。
  5. これを全員分行なう。今回は約120人いたので、とても疲れた。

5/31 (Mon)

早起き。kmuto氏が見つけたkernel 2.6.6 で fb16 が動かない問題 (Bug#251861) を調査。

■11:00 Porting (Bdale Garbee)


Debian は奇跡的にも 11 アーキテクチャをサポートしているが、それに関する発表。 dancerjによれば debconf2 でも似た発表をしていたとか…。 Bdale の発表資料は こちら

■ABI smallBOF

ABI smallBOF。doko+guido+jbailey+gotom+elmo で ABI について話し合う。その後 guido と食事。

■14:00 Build-Deamons (LaMont Jones)


LaMont は16か月ほど日本にいる経験があり、その時の上司 (カチョーサン) が全く英語が話せなかったため、日本語が多少話せる。内容は buildd について。

■15:00 Privilege-Neutral Networking: Considering a 2nd Generation Free OS (Jason Gerard DeRose)

謎度の高いセッション。結局何を発表したかったのだろうか…。

■16:00 Custom Debian Distributions are the last, ultimate step towards Total World Domination!

■17:00 BOF: Arch (Robert Collins)

■18:00 Debian in Brazil and the Debian Brazil Project (Gustavo Noronha Silva)

寝過ごして聞けなかった。無念。

■20:00 BOF: Removing useless packages from the archive (Martin Michlmayr and Petter Reinholdtsen)

食事をしていて参加せず。


6/1 (Tue)

■11:00 Multi-arch - why and how, a proposal (Tollef Fog Heen and Matt Taggart)


Debian, FHS マルチアーキテクチャのサポート案。 sarge 以降では、マルチアーキテクチャサポートが計画されている。 /bin など他のディレクトリについては非常に難しいため、現時点では i386/amd64 バイナリを同時サポートできるようなライブラリを /lib ディレクトリにてどう扱うかのみに焦点が置かれている。

質疑応答では議論が大いに紛糾した。 特に dpkg など既存のパッケージングシステムでは /usr/share/doc/ などドキュメントファイルが重なった場合エラーになるので、何とかならないかと思う。 私案としては source フィールドが同じだったらバイナリパッケージ間で共有し、 dpkgは既にインストールされていれば doc を無視すれば解決すると思う。

■14:00 Ethical Volunteerism in Debian (Biella Coleman)


倫理感をもったボランティアであれ、ということらしい。難しい英単語のオンパレードで厳しい。


■16:00 Women in Debian (Erinn Clark)


Debian における女性の数やそれを取り巻く状況について。 helix によれば、Debian 開発者全体に占める女性の割合は 3% 以下だと言う。 …1%もいるのかな…。


■18:00 BOF: Multi-arch (Tollef Fog Heen and Matt Taggart)


マルチアーキテクチャのサポートに関する議論。あまり実のある議論ではなかった。


■夜

di lab にてlha のセキュリティアップデート。mdz に セキュリティアドバイゾリ を出してもらう。linux-kernel-headers -16 を作業、dupload。

■20:15 BOF: New Mantainer Process (Martin Michlmayr)


New Maintainer Process に関する BOF。Debian はなかなかメンテナになることが出来ない。 BOF 中も厳しい意見が多く、せつない雰囲気が漂っていた。



6/2 (Wed)

起きたら9:00。メシを食いに行く。bubulleにつかまって1時間ほどロケール問題について討議する。 どうやらchangwooがチケット忘れた + 12:00までにはチェックアウトしないといけないらしい。 あわてて荷物をつめて風呂に入る。

■09:00 - 17:00 Debian-NP Day, Debian-NP Sub-Project (Mini-Auditorium)

Non-Profit organization 向け Debian について。出席せず。

■11:00 IPv6, Fabio Massimo Di Nitto (Main Auditorium)



IPv6の基本的な話しがメイン。

■昼食

Simonは、新しい buildd のフレームワークとして、各バージョンを データベース化して依存関係を破壊しないバージョンなどを作成するというアイデアを 考えているようだった。

■14:00 Towards a Systematic Quality Assurance Approach in Debian, Martin Michlmayr (Main Auditorium)


Martin 氏は比較的最近メンテナになったにも関わらず、勢力的な QA (Quality Assuarance) 活動であっという間にプロジェクトリーダーになった。 講演中では、at your own risk であるオープンソースソフトウェアにも QA が必要なこと、また、Debian も含めオープンソースソフトウェアの QA は、いわゆる一般の QA と異なる点が多くあると指摘していた。 オープンソースソフトウェアに焦点を置いたソフトウェアエンジニアリングプロセスは、 一般的な QA とはまた違った特徴がありそうである。

それを踏まえ、実際に Debian で行なわれている QA 活動について紹介があった。 QA を進める際には、Debian などオープンソースソフトウェアの特性を踏まえ、 システムの自動化などの改善を図っていく必要があるだろうとのこと。


■日本へ…

タクシーにのって空港へ (17R$+3R$) guido, bubulle らと別れ、サンパウロで matt, changwoo, kmuto と待機後、日本へ帰国。